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この経営者から学べ! この経営者から学べ!
このコーナーでは他にない付加価値を生み出している経営者を客単価UPコンサルタント・村松達夫の視点で考察し、経営を飛躍させるためのエッセンスを抽出していきます。さらっと読むだけでワクワクとした高揚感が得られ、今の時代を切り開くビジネスのヒントが手に入ります。
マニュアルを超えたバーガーショップ
今回、ご紹介するのは、愛知県にモスバーガーを4店舗経営している
フランチャイズ加盟店のオーナー、高井慶治さんだ。
フランチャイズならどこでも同じ、と思われるかもしれないが、高井社長のお店は「同じチェーン店なのに全然違います(現在・約1350店舗)」といったお客様からの喜びの声が数多く寄せられるという。 今回はその秘密に迫ってみたい。
CONTENTS
-1- 追加注文
分かりやすいところからお話しよう。少し前の話だが、高井社長の経営するモスバーガーのテーブルを見ると、他では見慣れないPOPが目に入ったことがある。
-2- 子ども店長
高井社長の取り組みはそれだけではない。 地域の子供たちの食育と就労体験を促進するために、通常であれば「忙しい」と敬遠しがちな土曜日お昼に、「子ども店長」というイベントを毎月開催している。
-3- 高齢者に優しい
高井社長率いる、モスバーガー4店舗の活動は子供さんだけに留まらない。 高井社長の夢は「地域の人たちが家族の絆を大事にする社会」を作ることだ。
-1-追加注文
分かりやすいところからお話しよう。 少し前の話だが、高井社長の経営するモスバーガーのテーブルを見ると、他では見慣れないPOPが目に入ったことがある。 それは、「追加注文喜んで!」というものだ。 通常モスバーガーのようなファーストフード店はお客さんがレジカウンターで注文と会計を済ませてから席で待つ、というシステムだ。 しかし、お客さんの立場になると分かると思うが、途中でポテトを食べたくなったり、デザートを食べたくなったりすることもある。 そんな時、話が弾んでいたり、くつろいでいたりすると、再度カウンターに向かうのは非常に面倒だ。 そんなお客さんの潜在的な不満を察知した高井社長は、テーブルで追加注文ができる「追加注文喜んで(テーブルでどうぞ)」というPOPを作られたそうだ(現在は他のPOPに変わっている)。 つまり、わざわざカウンターまで行かなくても気軽に頼めるわけだ。 そのほか、カウンターでのオーダーに不慣れな高齢者の方にはお席までメニューを持っていき、テーブルで注文を受ける、女性や高齢者のように一口でハンバーガーを食べ難い方にはハーフカットをしてお出しする、など、マニュアルを超えたサービスを次から次へと実施している。 これによって地域のお客さんはどんどんファンになっていくのだ。
お客さんの心の声をサービスに反映しろ!
我々はとかく、前例がない、同業他社がやっていない、という理由でお客さんが不自由をしていることに目をそむけ、オペレーションの改善を怠っている。 他社がどうの、ではなく、目の前のお客さんの満足度アップを最優先することにより、単価アップは可能となるのだ。
-2-子ども店長
高井社長の取り組みはそれだけではない。 地域の子供たちの食育と就労体験を促進するために、通常であれば「忙しい」と敬遠しがちな土曜日お昼に、「子ども店長」というイベントを毎月開催している。 これは小学生を対象にモスバーガーで1日店長体験してもらうことで、食育と就労体験を同時にしてもらおう、という取り組みである。 会費はわずか300円(食材実費)。 これに飛びつかない親御さんはいないだろう。 案の定、スタート直後から申し込みが殺到し、1年先まで予約で埋まっている程の大盛況を巻き起こしている。 もちろんこれはボランティア企画のため、直接的な収益にはならない。 しかし、こうした活動を行うことにより、親御さんからは圧倒的な信頼を勝ち取ることができ、お子さんもモスの大ファンになるため、学校で口コミが広がる。 さらにその波紋は公的団体にも伝わり、昨今では愛知県警とのコラボ企画である『地域と食の安心安全講習会』の講師を任され、5年連続表彰状を授与されるほどの素晴らしい実績を獲得している。 そのことにより、社員さんの愛社精神が高まり、地域のお客さんからはますます信頼されている。 このように単なるフランチャイズ加盟店を超えた凄まじいまでの成果をもたらしているのだ。
地域に喜ばれることで絶大なファンを作れ!
商売の枠で仕事をしているだけでは絶大な信頼やファンの獲得は難しい。 その場では儲からなくても社会にとってプラスとなる事業を自社に取り入れてみよう。 そうすることによって、公的な機関すら手放しで応援してくれるようになるのだ。
-3-高齢者に優しい
高井社長率いる、モスバーガー4店舗の活動は子供さんだけに留まらない。 高井社長の夢は「地域の人たちが家族の絆を大事にする社会」を作ることだ。 幼少のころからお婆様に大切に育てられた高井社長はとりわけ高齢者を大切にしたい気持ちが人一倍強い。 そのため、前述のとおり、ご高齢者が来店したらカウンターで無理に注文を取るのではなく、テーブルに座ったらこちらから出向いてオーダーを取るように、とスタッフにマニュアルを超えた対応を徹底指導している。 また戸田店を出店する際、近隣の高齢者の方にヒアリングしたところ、「私には関係ないお店ができるのだね・・」という寂しそうな言葉にショックを受け、「おばあちゃんもお友達もみんな招待するから来てね」と告げ、その後、地域の老人会を通して、ハンバーガー試食券を高齢者の方に無料で配った。 その結果、オープン当日には若者の食べ物と思われているハンバーガー店にも関わらず、高齢者による長蛇の列ができたとのこと。 その結果、リピートして下さる高齢者のファンを多く獲得している。 さらに、昨今では高齢者による運転事故多発のニュースに心を痛め、地元の警察署への『運転免許返納時特典』として、コーヒーチケット(1,100円分)を協賛したり、地元の蟹江町役場に電気自動車を寄付するなど、高井社長の地域社会への貢献ぶりは留まることを知らないのだ。
自分のミッションをビジネスに込めろ!
伝説になる会社はやって当たり前のことはしない。 儲かるか、儲からないか、を超え、自分がこの世に生まれてきた意味(ミッション)をビジネスに込めた時、通常ターゲットにならないようなお客さんまで取り込むことができる。 その結果、圧倒的な広がりを見せるのだ。
今回の学び
「地域社会を味方に付けろ!」
Lesson1.お客さんの心の声をサービスに反映しろ!
Lesson2.地域に喜ばれることで、絶大なファンを作れ!
Lesson3.自分のミッションをビジネスに込めろ!
マニュアルを超えたバーガーショップ
企業DATA(取材協力)
タカイエンタープライズ株式会社 高井 慶治さん
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